ヘリウムリークディテクタは、ヘリウムガスを使用した漏れ検査(以下、ヘリウムリークテスト)において、漏れ量や漏れ箇所の特定を行うための検査装置です。ヘリウムリークテストは、漏れ検査の中でも感度的に最も優れ、かつ微小な漏れに対しても短時間で精度よく検査ができるため、各種配管構造の部品全般、電子デバイス、空調、冷凍機、自動車関連などの生産ラインをはじめ、食品・薬品包装、医療機器など、漏れ検査が必要とされるあらゆる分野で使用されています。
他の流量単位との換算
Pa・m3/sec | mbar・l/sec | Torr・l/sec | atm・cc/sec | lusec | sccm | slm | Mol/sec |
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1 | 10 | 7.5 | 9.78 | 7500 | 592 | 0.592 | 0.000441 |
・Torr, atm はSI単位系でないので日本国内では使用不可
・例えば2.5E-8Pa・m3/secの場合には、口頭では「2.5の8乗」と省略される場面が多い。
■ 産業別の検査レベル(目安)
Q [Pa・m3/sec] | E-3 〜 E-5 | E-5 〜 E-7 | E-9 〜 E-10 | E-11 〜 E-12 |
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対象 | 水道管 ガス管 |
空調 熱交換器 コンプレッサ 自動車部品 |
真空部品 | 原子力 宇宙関連 |
ヘリウムリークテスト
ヘリウムリークテスト以外のリークテスト
(1)加圧テスト
(a)加圧放置法 | (b)差圧法(AirLeak) | (c)水没法 |
空気圧に締切り、圧力降下で全体の漏れ量を確認 | 空気加圧後〆切り、模擬リークWorkとの圧力降下を比較 | 空気加圧し水中で気泡を確認 |
(d)水圧法 | (e)石鹸水塗布法 | (f)ハゲロンガスプローブ法 |
水圧をかけて水漏れを確認 | 空気加圧してバブル(気泡)の目視検査 | 冷媒ガスで加圧して、ガス検出器を使用 |
(g)染色浸透探傷検査 | ||
浸透液(有色)を空気と一緒に加圧し、目視検査 | ||
(2)真空テスト
(h)真空放置法(ビルドアップ) | (i)液塗布法(アルコールチェック) |
真空排気し〆切り、圧力上昇で全体の漏れ量チェック 漏れ箇所の特定は不可 |
真空排気をしながら、アルコール等を塗り到達圧力の変化をチェック 漏れ箇所探しの手法 |
各リークテスト方法の特性比較
■ 各検査方法の特徴
(1)ヘリウムガス特性
特性 | 利点 | |
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1 | 大気中の含有量が少ない(5ppm) | バックグラウンドが小さい |
2 | 質量数4のイオンとなる | 質量分析で他ガスとの識別が容易 |
3 | 分子直径が小さい | 小さな孔を通り易い |
4 | 毒性なし、引火性なし、不活性 | 様々な現場、環境、製品に対し安全に使用できる |
5 | 吸着エネルギーが小さい | 一旦進入しても排気し易い |
6 | 非フロン系ガス | 地球環境へのダメージがない |
(2)機器構造
ANALYZER:分析管 TMP:主排気ポンプ FV:フォアラインバルブ FP:補助兼、粗引きポンプ |
TV1:微小リーク用テストバルブ TV2:小リーク用テストバルブ TV3:大リーク用テストバルブ TEST PORT:Work接続口 |
PG:ピラニ真空計 CAL:校正リーク CLV:校正リーク、ベントバルブ VV:ベントバルブ VENT PORT:大気圧戻し口 |
(3)分析管
磁場偏向型質量分析
- ① イオン生成(イオンソース)
- ・分析管に到達した気体分子がフィラメントの熱電子により+電荷のイオンに変換
・加速電圧により、一方向に加速移動 - ② イオン選別
- 1. +の電荷を持ったイオンが磁場を通過する事で軌道が曲がる『フレミングの左手の法則』現象
2. この時点で気体毎の質量により軌道が分かれる
・He(質量数4)が中心軌道に調整
・質量数3は自然大気中に極めて少ない、質量数5は存在しないので、質量数4の識別が容易 - ③ イオン収集(イオンコレクタ)
- 1. +の電荷を持ったHeイオンのみ電極板に到達
2. Heイオンの量に応じた微弱電流が流れる
(4)主排気真空ポンプ
複合分子ポンプの採用と逆拡散現象による効果
分析管の圧力は維持しながら、テストポートをより高い圧力で接続することができる。
※逆拡散現象:Heなど排気し難い小さな気体分子の一部が分子ポンプを介して分析管まで到達してしまう現象
(5)校正リーク
分析管のHe分圧レベルを漏れ量単位に変換する為の「漏れ基準器」
Heを内蔵。硝子を透過する現象を利用。温度係数、経年減衰係数を持つ。
チャネル型 主にスニッファー用(真空法も可)/E-4, E-5, E-6 Pa・m3/sec台
Heを外部より供給。真空法ではHeを大気圧(差圧0.1MPa)で使用。比較的大きな漏れに適している構造。
(6)感度校正
機器(LD)が検出可能な最小電流値が示す、漏れ量のことを感度といい、数値が小さい程、感度が良い。校正リークの定測により、感度校正を行う。
(7)最小可検リーク量
標準空気リーク量で表される最小のリークで、リークディテクタで明確に検出できるもの。
(8)基本動作(真空法:Auto Flow)
(9)基本動作(スニッファー法)
Work内部にHeを充填加圧して、外部(大気中)に漏れ出てくるHeを検知する方法。
テストポートにスニッファーユニットを取り付けて使用します。スニッファーユニットによりLDテストポートは、TV2で連続運転可能な圧力に維持されています。
プローブ先端のオリフィスで圧力制御する一般的なタイプの他に、アルバックでは吸引用ポンプを搭載したタイプもあります。
ヘリウム漏れ試験方法は「JIS-Z2331」により、代表的な手法が規定されています。
テスト方法の決め方
(※)微圧法(ULVACの造語):圧力差に弱いWork向けのULVACアプリケーション
【使い易い最高性能】
- 圧倒的なHe排気速度
- タブレット型コントローラによる利便性UP
- ― 最高レベルの測定感度
・最小可検出リーク量:<5E-13Pa・m3/sec
― 無線リモート制御が標準機能
― 保守作業が容易な構造
― 起動、停止時間が早い
― 移動し易い高機能モバイルカート
― 前710シリーズと互換性確保
- 豊富なポンプラインアップ
- ― 30L/min(油回転真空ポンプ) ~ 500L/minスクロールドライポンプ
特長1:圧倒的なHe排気速度 5L/secの効果
・排気時間が早くなる
・バックグラウンドの下がりが早くなる
・バックグラウンドを安定させ、低く抑える事ができる
・真空装置の漏れ検査では、リークディテクタ側へのヘリウムの吸引量が大きくなり、小さい漏れを見つけやすくなる
特長2:使い易さ タブレット型コントローラ
・好きな場所に『置いて』使う新提案
・本体とのケーブルを外せば無線リモコンとして使用可能
・シンプルで判り易い各種画面
特長3:使い易さ 移動性、保守性、起動時間
HELIOT900シリーズの仕様
model | 901W1 | 901D2 | 904W2 | 904D3 | 904D4 | |||
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ボディタイプ | ポータブル | モバイルカート | ||||||
最小可検リーク量 | Ultra | Pa・m3/sec | <5E-13 | |||||
表示下限 | Ultra | Pa・m3/sec | 0.01E-12(<2Pa) | |||||
Fine | Pa・m3/sec | 0.01E-10(<100Pa) | ||||||
最大接続圧力 | Gross | Pa | 1200 | |||||
テストポート 排気速度(He) |
Ultra | L/sec | 5(<2Pa) | |||||
Fine | L/sec | 1(<100Pa) | 5(<100Pa) | |||||
粗引きポンプ: 排気速度(50/60Hz) |
油回転 | L/min | 30/36 | 135/162 | ||||
スクロール | L/min | 90/108 | 250/300 | 500/600 | ||||
質量 | kg | 約33 | 約37 | 約79 | 約74 | 約96 | ||
表示機 | 7inchタブレット型産業用コンピュータ (無線規格:IEEE 802.11 b/g/n) | |||||||
表示機操作範囲 | 有線 | ケーブル長:2m(標準付属),5m(Option) | ||||||
無線 | 40m | |||||||
表示機バッテリ駆動時間(無線) | 3-8hr | |||||||
適合規格 | CE, IP30 | CE | ||||||
入力電圧 | V | 100-120 or 200-240 | ||||||
使用環境温度 | ℃ | 10-40 |
オプション製品一覧
配管やフレキシプルホースなど掲載のない製品の取扱いもあります。詳しくは弊社営業担当者へお問い合わせください。
スニッファーユニット(ホース長は1m-10mでご指定ください) | |
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ASユニット | |
BSユニット | |
BTユニット |
カート・ケース | |
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フロアーカート:901用 | |
コントローラ保管ボックス ※901はフロアーカートが必要です | |
BTユニット:901用 ※フロアーカート仕様は収納不可 |
オイルミストトラップ | |
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WS用オイルミストトラップ |
コントローラー周辺機器 | |
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コントローラケーブルセット5m | |
コントローラ充電器(入力電圧:100-240V) | |
絶縁手袋対応タッチペン | |
セキュリティワイヤーセット(切断アラーム付きワイヤー + 本体取付金具)※錠は含まず | |
ダイヤル錠(管理者用マスターキー付き) |
プリンタ | |
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サーマルプリンタ | |
プリンタ用紙:普通紙 / 無塵紙 |
校正リーク | |
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メンブレン型校正リーク:E-7、E-8、E-9、E-10[Pa・m3/sec] | |
チャネル型校正リーク:E-4、E-5、E-6[Pa・m3/sec] |
周辺機器 | |
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L型手動バルブ:NW25-NW25 | |
ヘリウムスプレーガン | |
減圧弁(日本国内ヘリウムボンベ用) | |
テストチャンバ:内寸φ96mm × H30mm | |
ボンビングタンク:内寸φ95.5mm × H160mm、使用圧力範囲:<0.5MPaG | |
配管類:変換配管(I型、T型、+型)、フレキシブルホース、クランプ類、他各種 |
インターフェイス | |
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I /O コネクターセット:Rec.Out、EXT I /O | |
信号変換器:300series用 | |
電源ケーブル変換ケーブル:700シリーズ用、300シリーズ用 |
消耗品 | |
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イオンソース | |
ピラニ測定子 | |
マイクロセパレータ:BS、BT用 | |
空冷ファンフィルタ:パネル用 | |
空冷ファンフィルタ:電気系用 | |
ベントラインフィルタ | |
オイルミストトラップエレメント:W1内臓OMT用 | |
ポンプオイル:W1用、W2用 |
ドキュメント | |
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取扱説明書:CD-R、冊子(普通紙/無塵紙) | |
トレーサビリティ証明書:校正リーク, HELIOT本体 | |
一般校正試験証明書:校正リーク, HELIOT本体 |