油拡散ポンプ 及び油回転ポンプの作動油相互混入の原因と対策
1. 油回転ポンプ内に油拡散ポンプ油が混入する
原因 | 対策・結果 | ||
---|---|---|---|
場所 | 現象 | 理由 | |
ポンプ本体 | ・ボイラ部の漏れ | ・冷却水不足での運転 ・油不足での運転 ・ごみによる分留板内の部分的な油不足 |
・漏れ箇所の解消 |
冷却水系 | ・水量不足 ・流し方の間違い |
・ポンプ壁温度の上昇 ・油蒸気の再蒸発分が増える |
・冷却水の管理 |
負荷側 | ・ガス負荷が多過ぎる | ・漏れの発生 ・主バルブが閉じきれない |
・漏れ箇所の解消 |
2. 油拡散ポンプ内に油回転ポンプ油が混入する
原因 | 対策・結果 | ||
---|---|---|---|
場所 | 現象 | 理由 | |
補助ポンプ側 | 油回転真空ポンプ停止時の大気圧ベント忘れ | 圧力差により油回転ポンプ油が油拡散ポンプ側へ移動 | 油回転ポンプ停止時の大気導入の実施 |
40Pa以下での油回転ポンプの連続運転 | 油逆流の多い領域での運転 | 油回転ポンプと油拡散ポンプ間にトラップを設ける |
油拡散ポンプの油逆流、混入の原因と対策
原因 | 対策・結果 | ||
---|---|---|---|
場所 | 現象 | 理由 | |
ポンプ本体 | ・ジェットの設定不良 ・油が分留されていない |
・変形、ギャップ不適切 | ・ギャップの修正、またはヘッドの交換 |
・油量が多過ぎる | ・適正油量にする | ||
バッフル ・ トラップ形状 |
・均一に冷却される構造ではない | ・温度むらのため、油をトラップできない | ・バッフルの構造の見直し |
・光学的に遮断されない | ・熱流入で温度上昇し、油の再蒸発 | ||
冷却トラップ | ・トラップ温度不安定 ・トラップが冷えていない ・冷やす期間の間違い |
・ 冷却不足 ・ 負荷側からの熱流入 ・逆流の多いときに冷却されていない |
・冷媒を補充 ・油拡散ポンプ起動時及び停止後もしばらくは冷却を行う |
負荷側 | ・ガス負荷が多過ぎる ・吸入圧が高い |
・最大排気量を超えた負荷 (漏れまたは放出ガス) |
・過剰なガス負荷解消 |
・油回転ポンプによる粗引き不足状態で油拡散ポンプの排気を開始した | ・真空槽を40Paまで排気した後、油拡散ポンプで本引きとする | ||
冷却水 | ・水温が不適切 ・水量不足 |
・油拡散ポンプ壁の冷却不足 | ・適正な水温にする ・水量確保 |
・流し方の間違い | ・冷却水の入りを吸気側出を排気側パイプとする | ||
補助ポンプ側 | ・作動していない | ・臨界背圧以下にできない | ・ 臨界背圧以下になるように補助ポンプの状態を確保する |
・ガスバラストを行いながら排気している | ・臨界背圧以上の圧力になる | ・臨界背圧以下になるように補助ポンプの状態を確保する |