走査型オージェ電子分光分析装置 (AES/SAM)
PHI 4700 Thin Film Analyzer
電子分光法 ( AES: Auger Electron Spectroscopy) は、固体表面に電子線を照射することにより放出されるオージェ電子のスペクトルを測定し、元素組成に関する情報を得る手法です。
PHI 4700 Thin Film Analyzerは、世界最高のオージェ感度1.6Mcps(電流値10nA)を有するエネルギーアナライザを採用し、スピーディな深さ方向分析を実現しました。
ソフトウェアは使い易さに定評のあるSmartSoftTMを採用、1台のコンピュータでSEMとオージェをコントロールし、世界初のオージェ自動高さ調整機能を装備するなど、充実したオージェ自動測定機能を誇ります。
仕様
感度 | 1.6Mcps (Cu LMM) @ 10 kV, 10nA, △E/E:0.4% |
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検出器 | マルチチャンネル検出器(16チャンネル) |
電子源 | LaB6 |
ステージ | 5軸モータ制御 |
到達真空度 | 6.7×10-8 Pa 以下 |
ソフトウェア | SmartSoft™ (測定ソフトウェア Windows®XP) PHI MultiPak™(解析ソフトウェア Windows®XP) |
オプション | 冷却加熱ステージ、トランスファーベッセル、酸素リーク機構、他 |
特長1 : 最高のコストパフォーマンスでのオージェ深さ方向分析
PHI 4700 Thin Film Analyzerは、微小部の深さ方向分析に特に優れたコストパフォーマンスを発揮するオージェ電子分光分析装置です。SEM上で指定したミクロンオーダーの微小部の高感度短時間の深さ方向分析が可能です。
長年使用した携帯電話の金めっき電極正常部、変色部の深さ方向分析結果を図に示しました。
いずれも、金めっき膜のニッケルリン合金との界面側に腐食により生成した酸素とニッケルが存在しますが、電極2(変色部)では、金属ニッケルが金めっき膜中に拡散しており、これが変色の原因となっていることがわかります。
特長2 : 高感度アナライザと自動測定によるハイスループット測定
PHI 4700 Thin Film Analyzerでは高感度アナライザにより測定時間が短縮されました。
さらに、自動測定機能が装備されているため、多数の試料を短時間で測定できる生産性の高い装置となっています。自動測定は、誰でも手軽に行なえるようになっており、ソフトウェア画面上に表示される試料ホルダー上をクリックするだけで測定位置の登録が行なえます。 製品・プロセスの管理のための総計的解析に必要なデータ取得も可能です。
特長3 : Windows®ソフトウェアによる容易な操作
SmartSoftTMはWindows®上で動作するPHI 4700 Thin Film Analyzer制御用ソフトです。一画面上にSEM観察による測定場所決めからオージェ測定、データ表示までの測定の一連の操作を配置し、誰でも操作できます。試料の出し入れやスパッタリング操作も完全シーケンス制御されており、煩雑な手順なく初心者でも安心してご使用いただけます。
マッピング・フレキシブルプロファイル・Zalar回転機能など、測定機能も充実しています。SmartSoftTMによる一画面での容易な操作と多様な測定機能は、分析作業の効率化とご満足いただける測定結果を導き出します。