レーザーラマン顕微鏡 RAMANtouch
世界最高のラマンイメージングに、革新的なユーザビリティが加わりました。ラマン分光は、ここまで進化します。
最高のイメージング性能を誇るナノフォトンのレーザーラマン顕微鏡が、さらなる進化を遂げました。新ソフトウェアLaurus(ローラス)が、最もスピーディで最もかんたんなラマン分析プロセスを実現。データの共有や装置の操作は、iPadを含むあらゆる端末から実行可能となり、これまでにない測定シーンを生み出します。
用途
- シリコン・半導体のひずみ、応力分析
- グラフェン、CNT、カーボンの構造評価
- 二次電池等の電極の劣化、材料分布、異物検査
特長
- ハイパフォーマンス
サブミクロンスケールの成分分布を鮮明に捉える、350nmの空間分解能(532nm、100x 0.90NA使用時)。ライン照明とレーザービーム走査による超高速イメージング。高分解能かつ高精度な分光性能。レーザー顕微鏡のプロが設計すると、ラマン分光のパフォーマンスはここまで上がります。 - 回折限界の350nmの空間分解能を保証
平面方向で350nmの空間分解能を保証。回折限界に迫る性能で、試料の構造や分散をサブミクロンスケールで捉えます。 - ライン照明で400スペクトル同時測定で超高速分析が可能
レーザーをライン状に延ばす独自の光学系を採用。400スペクトルを一度に測定することで、圧倒的な高速イメージングを実現しました。 - 狭線幅レーザーと500mm分光器を搭載で高分解能
線幅の狭い高品質レーザーと、焦点距離500mmの分光器を内蔵。スペクトル分解能もピーク位置決め精度も、高分解能かつ高精度実現しました。
仕様
RAMAN-11 主な仕様 | ||
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光学顕微鏡 | 正立型または倒立型を選択 | |
スキャナー | ガルバノメーターミラーによる高速X-Yイメージング 試料ステージによるZ軸方向走査。ステップ幅50nm。 光スポット高速走査のライン照明、または光学的にビームシェイプしたライン照明を切り替え可能。 |
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レーザー | 標準波長:532nm/785nm/その他 | |
■532nmレーザー | ■785nmレーザー | |
TEM00 | TEM00 | |
高輝度(500mW) | 高輝度(500mW) | |
*レーザー波長は各種搭載可能。ユーザーの要望に対応 | ||
分光器 | 電動で3つのグレーティングを切り替え可能 非点収差を除去したイメージング用分光器 幅調整可能なスリット(20-200μm) 焦点距離:500mm 精度:0.2nm 繰り返し精度:0.05nm |
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電子冷却CCD検出器 | 1340×400画素 真空密閉(メタルシール) 冷却温度-70°C 100kHzと2MHzピクセルレート 16ビットのダイナミックレンジ |
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イメージング性能 | @×100 0.90NA対物レンズ使用時 | |
分解能(FWHM、X方向) | 350nm | |
分解能(FWHM、X方向) | 1000nm | |
視野範囲 | 80 × 90μm | |
顕微分光性能 | @1200/mmグレーティング使用時 | |
分光分解能(FWHM) | 1.6cm-1 | |
ラマンシフト検出範囲 | 80-4000cm-1 | |
大きさ(W) × (H) × (D) | 800 × 650 × 670mm | |
質量 | 75kg |
【型式による仕様例】
型式 | 特長 |
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RAMAN-11-VIS | レーザー 532nm 0.5W CCD Peak QE 50% 波長範囲 450-975nm |
RAMAN-11-NIR | レーザー 785nm 0.5W CCD Peak QE 55% 波長範囲 400-1050nm |
RAMAN-11-VIS-NIR-HQ | レーザー 532nm 0.5W/785nm 0.5W |
(高感度CCD搭載、2波長) | CCD Peak QE 90% 波長範囲 200-1075nm |
【オプション】
■データベース ■偏光ラマン測定 ■広視野観察用電動ステージ ■冷却加熱ステージ
各材料のアプリケーションギャラリー
各種材料における豊富な分析実績があります。
またサンプリング分析もお受けいたします。一部をご紹介いたします。
層・多層グラフェンのラマンイメージング
単層・多層グラフェンの分布をわずか5分でイメージング 上の画像は、熱酸化したシリコン基板上に分布するグラフェン薄膜をラマンイメージングしたものです。炭素1原子のシートである単層グラフェンと、二層、三層、四層の多層グラフェンが、それぞれどのように分布しているかを、わずか数分の測定時間と350nmという高い空間分解能でイメージングしています。
ポリシリコン(多結晶Si)薄膜の結晶性評価
ポリシリコン薄膜の分析例です。ポリシリコン薄膜はアモルファスシリコンに比べると電子の移動度が高く、液晶ディスプレイ、太陽電池などに用いられています。ポリシリコンはアモルファスシリコンを加熱することで生成されます。アモルファスシリコンがポリシリコンに変化する過程において、ラマンスペクトルが変化し、結晶性の高いポリシリコンはより高波数にラマンピークを持つため、RAMANtouchによってポリシリコン薄膜を評価できます。このサンプルは、厚さ300nm程度のアモルファスシリコン薄膜に、エキシマーレーザーを照射して生成されました。生成条件の異なる2つの領域(条件1および条件2)の境界部分が観察されています。生成条件の違いおよびポリシリコン生成に用いたレーザーの照明むらによる結晶性の違いが明瞭に観察されています。
リチウムイオン電池負極の非大気暴露ラマンイメージング
充電前のシリコン系負極のラマンイメージ | 充電後のシリコン系負極の非大気暴露ラマンイメージ |
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光源波長 : 532nm
スペクトル数:40,000(400×100) ※画像はその一部
対物レンズ : 100 倍、NA=0.85
測定時間 : 35 分
(赤:結晶性シリコン 黄:アモルファス化シリコン 青:グラファイト 緑:ケッチェンブラック)
上の2つの図は、リチウムイオン電池のシリコン系負極の充電前後の様子をラマンイメージングで比較したものです。充電後の電池をグローブボックス内で解体して極板を取り出し、LIBcell(不活性雰囲気ラマン測定用密閉容器)に封入して非大気暴露下でラマンイメージングを行いました。充電により結晶性シリコンにリチウムイオンが吸蔵された結果、結晶性シリコンのほとんどがアモルファス化していることが確認できました。